コインパーキング経営をする際に、どれくらいの固定資産税がかかるのか不安に感じてしまいますよね。発生する税金については、きちんと頭に入れておかなければなりません。
具体的な計算方法について解説するので、役立ててみてくださいね。またどうすれば、節税に繋がるのかについてもまとめました。効果的な節税に取り組んでみましょう。
目次
固定資産税とは、住宅地や田んぼなどの土地、住宅やお店といった家屋、工場の機械や会社の備品などの償却資産を総称して固定資産と言います。
固定資産税とはこういった固定資産にかかる税金です。
固定資産税は固定資産を所有している所有者がその資産価値に応じて算出された税額を市区町村に納めます。
固定資産税は毎年1月1日時点の所有者が支払う必要があります。固定資産の評価額は課税標準額×税率によって計算されます。
都市計画税は都市計画法に基づいて行う都市計画事業または、土地区画整理法に基づいて行う土地区画整理事業に要する費用に充てるために市区町村が課税します。
都市計画税を課すかどうか、その税率をどの程度にするかについてはその地域における都市計画事業等の実態に応じて市区町村の判断によります。
課税対象は原則として市街化区域内の土地および家屋の所有者に対して課税されます。
税率は市区町村の定める条例によって決まりますが、制限税率として家屋および土地評価額の0.3%とされています。
都市計画税の具体的な使用用途としては、道路や駐車場といった交通施設や公園や緑地といった公共地、水道、電気供給施設、ガス供給施設、下水道、汚物処理場、ごみ焼却場といった公共施設の整備のために使われます。
土地は一物四価と言われます。一つのものに対して4つの価格が設定されているということです。
4つの価格とは、実勢価格、公示地価、固定資産税評価額、相続税路線価のことを言います。
ここではその一つである固定資産税評価額について触れていきます。
ちなみに固定資産税評価額は固定資産税の算出だけではなく、不動産取得税や登録免許税、都市計画税に相続税の計算をするときにも使われます。
固定資産税評価額は総理大臣が定めた固定資産税評価基準をもとに決定される不動産の基準価格です。
固定資産税評価額は土地と建物で評価額を決める基準が違います。
土地の場合は売買実例価格、建物の場合は再建築価格が基準になります。
売買実例価格は読んで字のごとく実際の市場で取引されている価格のことを言います。
一方建物の再建築価格とは、建っている建物を実際に同じ構造と材料で建て直した場合にかかる費用のことを言います。
固定資産税評価額は3年ごとに評価替えがおこなわれ価格が変わります。
そのため、固定資産税も年によって納める金額が変動します。
コインパーキングにおける固定資産税の計算は固定資産税評価額×1.4%で計算されます。
アパートやマンションに併設されているような駐車場であれば賃貸経営の一種とみなされ、小規模宅地の特例が使えますが、コインパーキングの場合は認められないケースもあるため注意しましょう。
目安として固定資産税評価額に対してのかかる固定資産税は下記の表の通りです。
固定資産税評価額 | 固定資産税 |
100万円 | 14,000円 |
500万円 | 70,000円 |
800万円 | 112,000円 |
1,500万円 | 210,000円 |
3,500万円 | 490,000円 |
5,000万円 | 700,000円 |
7,500万円 | 1,050,000円 |
1億円 | 1,400,000円 |
1億5,000万円 | 2,100,000円 |
そもそも固定資産税を計算したいと思っても、固定資産税評価額が分からないという方も多いのではないでしょうか。
固定資産税評価額の調べ方について解説します。
確認の仕方は3つあります。
まず一つ目は固定資産税明細書を確認する方法です。
固定資産税は毎年1月1日時点の固定資産の所有者に課税され、その所有者には自治体から4~5月に納税通知書が届きます。
その中に固定資産税課税明細書が同封されており、そこに固定資産税評価額が明記されています。
納税通知書を見れば納めるべき固定資産税も知ることができます。
二つ目は固定資産評価明細書を確認する方法です。
こちらは役所の窓口や請求依頼することで取得ができます。
最後は固定資産課税台帳を閲覧もしくは縦覧する方法です。
閲覧とは本人が台帳の登録事項を役所で確認をする制度です。
一方で縦覧とは固定資産の評価が適正かどうかを役所でほかの固定資産と比較する制度です。
この中でも一番手っ取り早く確認できるのは納税通知書に同封されている課税明細書を確認することです。
納税通知書には実際に自分が納めるべき固定資産税の金額も明記されています。
もし紛失した場合には役所に行って固定資産評価明細書を取得するとよいでしょう。
多くのコインパーキング建物に屋根などの建物が少ないことから、固定資産税がかかるのは土地だけだと思われるかもしれません。
しかしコインパーキング経営に必要な設備が課税対象になる場合があります。
設備にかかる固定資産税は償却資産税と呼ばれます。
償却資産税の税率は固定資産税と同様に1.4%です。
償却資産とは年数の経過によって価値が低下すると考えられる資産のことです。
たとえばコインパーキングの精算機やロック板などが償却資産になります。
また駐車場スペースが舗装されている場合にはその舗装に対しても償却資産税がかかります。
償却資産に該当するかどうかは減価償却可能かどうかで決まります。
減価償却の基準は取得価額が10万円を超えるもので使用可能期間が1年以上のものです。
これに該当をしない場合は消耗品として経費計上をします。
償却資産税は課税標準額が150万円未満であれば非課税のため、大きな舗装工事や設備投資をおこなうさいは150万円を超えるかどうかを気にしておくと良いでしょう。
コインパーキング経営で固定資産税を節税するためにはどういった方法があるのでしょうか。
すべてのコインパーキング経営で活用できる方法ではありませんが、その方法について紹介していきます。
もし活用できそうなものがあればコインパーキング経営を始めるときに参考にしてください。
駐車場を住宅用地に隣接させ、小規模住宅用地扱いにすることで、課税標準額を6分の1にする特例があります。
住宅用地の例として住宅用家屋(専用住宅、アパート等)の敷地、住宅用家屋の敷地と一体となっている庭、自家用駐車場とあります。
コインパーキングをこの住宅家屋の敷地と一体となっている自家用駐車場と認定されれば小規模住宅用地として固定資産税の節税をすることができます。
また相続のことを考えると駐車場をアスファルトで舗装することで小規模宅地等の特例が適用されます。
国税庁のホームページ「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」には、相続または取得財産のうち、その相続の開始の直前において相続人等の事業の用に供されていた宅地等については、相続税の課税価格に算入すべき価額の計算上、一定の割合を減額します」と書かれています。
ここでいう「宅地等」は一定の建物又は構築物の敷地用に供されているものを指します。
結果的にアスファルト舗装をされた土地を「宅地」と見なされます。
この特例を使えば貸付事業用宅地等の200㎡までの土地の評価額は50%減額されます。
次は償却資産税を発生させない方法です。前述のように償却資産税は、150万円を超えなければ課税されません。
導入する設備の総額を150万円以下に抑えることで、償却資産税の節税をすることができます。
コインパーキングは、どういった設備を導入して経営をするかによって設備投資の金額は変わってきます。
なるべく設備の費用をかけないようにするのも節税方法の一つです。
減価償却の計算をするときに使える特例がいくつかあります。そのなかでも活用できるのが一括償却資産制度です。
一括償却資産制度は取得価格が20万円未満の資産に関する減価償却の特例を指します。
一括償却資産制度を使えば該当する資産を法定耐用年数にかかわらず3年に分けて処理ができる制度です。
3年で分けて処理することによって法定耐用年数よりも早く償却をすることができます。
その結果、一年当たりの資産価値が少なくなるため固定資産税の節税につながります。
コインパーキング経営のおいてかかる税金は固定資産税や都市計画税、償却資産税だけではありません。
コインパーキング経営は不動産貸付業に該当するため確定申告が必要になります。
そのため、所得税や住民税も課税されます。所得税や住民税の概要および節税方法については下記のコラムにてまとめてあります。
関連記事:コインパーキング経営で発生する税金の種類と節税方法
ここまでコインパーキング経営にかかる税金について紹介してきました。
コインパーキング経営をすると様々な税金を納める必要があります。
それではコインパーキング経営をするメリットはどんなところにあるのでしょうか。
コインパーキング経営をのメリットは他の不動産投資と比較して少額から始めることができ、経営方法も自分に合った方法を選べる点にあります。
ただし投資である以上はデメリットを伴いますので、まずは下記のコラムでメリットとデメリットを理解し、自分に合ったコインパーキング経営はどれなのかを知ることが大切です。
関連記事:コインパーキング経営のメリットは?自営か一括借り上げか
コインパーキング経営をする際に税金は必ず発生するものなので、自分の場合はいくらかかるのかについて先に確認しておくのがおすすめです。
またご紹介した節税方法などにも、取り組んでみてはどうでしょうか。
経営を始める際に、利益のことばかり考えてしまう方もいますが、こういった税金の支出についてもしっかり押さえておくことが大切です。