駐車場経営に必要な広さとは?種類ごとの初期費用の把握が重要

駐車場の経営は、条件により狭い土地や地方でもできる土地活用法です。1台からでも可能ですが、より多くの収益を得るためには、広い土地を確保できれば効率が良くなります。

駐車場経営を行うにあたって最も重要なことは、何台分の駐車スペースを確保できるかです。土地の状態により、何台の車を駐車できるのかを把握しておく必要があります。特に、新たに土地を取得して事業をスタートさせる場合には、常に念頭に置いておくべきです。

そこで、この記事では駐車場経営に必要な広さ、車1台に必要な坪数、駐車場経営の種類や初期費用についてわかりやすく解説します。

駐車場経営に必要な広さ

駐車場経営が成り立つ広さとはどれくらいでしょうか。たとえば、コインパーキングを始めるのに、必要な土地の広さは車2台分(約10坪程度)の面積が必要です。標準的な駐車場の面積は1台あたり15㎡、2台では30㎡となります。

そのほか、精算機や看板、照明などの設置場所の面積を加えると、10坪程度(約33㎡)の面積があれば2台の駐車場経営が可能となります。

駐車場経営では、より多くの駐車スペースを確保することで、より多くの収入を得ることができます。1台でも多くのスペースを確保することは、安定的な駐車場経営を実現するためのポイントです。

車一台に必要な坪数

乗用車1台分に必要な面積は、5m×2.5m=12.5㎡(約4坪)の広さがあれば良いとされています。この駐車スペースの広さは「駐車ます」の広さを示しており、前方方向の隙間には、一般的には0.3m程度、車両の全幅に0.5m~0.8m程度の余裕をとれば、ドアの開閉なども安心してできます。

駐車場の車1台分に必要なスペースについては、国土交通省の「駐車場設計・施工指針」が示されており、それを基準にしてさまざまな駐車場の設計がされています。それによると、軽自動車3.6m(長さ)×2m(幅員)、小型乗用車5m×2.3m、普通乗用車6m×2.5m、と示されています。

駐車場経営の種類

駐車場経営にはその経営方針により3種類あり、それぞれの経営方式の特徴に応じた経営手腕が求められます。

土地貸し方式

更地の状態で土地を貸し出し、アスファルト舗装、ロック板、精算機などの設備装置は借主である管理会社が行う経営方式です。施設貸し方式とあわせて、一括借上げ方式ということもあります。

土地貸し方式では、土地のオーナーは毎月一定額の土地代を管理会社から受領します。この方式のメリットは、初期費用が発生しないということです。アスファルト舗装や設備装置の設置も管理会社が行うため、オーナーは負担なしで事業を始めることができます。

一方、土地貸し方式のデメリットは、土地代が低く設定される傾向にあるという点です。管理会社の初期投資額が多額になるため、オーナーに支払う賃貸料(土地代)が抑えられてしまうのです。

施設貸し方式

施設貸し方式は、アスファルト舗装までをオーナーが行い、精算機などの設備装置を管理会社が行う経営方式です。この方式も毎月一定額の賃料を管理会社が負担しますが、アスファルト舗装をした分、土地貸し方式よりも高い賃貸料となるのが一般的です。

アスファルト舗装を行った土地は、駐車場施設を貸していることになり、賃貸料が消費税の課税対象となります。オーナーが消費税の免税事業者である場合、この上乗せされる消費税は納税の義務がなく、売上が10%アップすることと同じになるため、メリットになります。

なお、消費税の免税事業者とは、基準期間(前々年)における課税売上高が1,000万円以下の事業者のことです。また、土地の貸付は消費税の課税対象になりませんが、貸付期間が1か月未満の場合は課税対象となります。

車両を管理したり、土地の整備または区画、フェンスなどを設置して駐車場として利用させたりする場合は、土地ではなく駐車場という施設を貸し付けていることになりますから、消費税の課税対象になります。

管理委託方式

管理委託方式とは、土地のオーナーがアスファルト舗装、精算機などの設備装置をすべて設置し、精算機の管理や清掃などの管理・運営だけを管理会社に委託する方式です。自営方式と呼ばれることもあります。

管理会社との契約内容にもよりますが、駐車場需要の調査、料金設定の相場確認など初心者が不慣れな分野の情報提供を行ってくれます。複数の会社の提案を比較検討すれば、初心者でも無理なく事業を始められます。

この方式のメリットは、駐車場利用料が直接オーナーの売上となるため、他の方式と比較して収益性が高くなることです。管理会社に支払うのは管理委託料だけですので、支出を抑えることができます。

ただし、管理委託方式は初期費用が発生するうえ、収入が不安定になる傾向があります。駐車場経営のリスクもすべてオーナーが負うことになり、オーナー自身の経営手腕が売上を左右するため、他の方式以上の経営努力が求められます。

駐車場経営にかかる初期費用

立地条件や駐車場需要にもよりますが、一般的に駐車場経営は、月極駐車場より時間貸し駐車場(コインパーキング)のほうが高い収益を得られるので、経営方式としておすすめです。それぞれに必要な初期費用は以下のとおりです。

月極駐車場

月極駐車場とは、駐車場代を月額の固定賃料で契約する経営方式のことで、近隣の居住者向けやオフィス、店舗の来客・従業員用の駐車場として貸し出す場合に多く利用されます。募集及び管理を不動産業者に委託する「管理委託方式」が最も一般的です。

月極駐車場の場合、未舗装の砂利敷きや、ラインやロープなどで駐車スペースを確保することのみでも始めることができます。コインパーキングに設置される設備装置は不要です。整地されていない土地の場合、砂利の整地費用の相場は1万円/坪程度です。

ロープによる区画割については、相場は2,000円/100m程度です。土地さえ準備できていれば、非常に低額な初期費用で、収益化が早くなります。

また、土地を購入して駐車場経営を始める場合には、土地代はもちろんのこと、登録免許税、不動産取得税、印紙税、仲介手数料、司法書士報酬などさまざまな費用が発生してきますので、駐車場需要や立地条件の調査なども含めて、専門会社に相談することをおすすめします。

コインパーキング

時間貸し駐車場のことで、利用者が駐車した時間に応じて設定料金を支払うシステムです。24時間無人の営業を行っている場合が多く、駐車台数は数台から数十台程度となっています。駐車台数により管理方式が異なり、10台程度の小規模の場合はロック式、20台以上の大規模となるとゲート式が多くなっています。

コインパーキングには一括借上方式、共同運営方式の2種類の経営方式があります。前者は運営会社が土地を一括で借上げ、オーナーに毎月固定賃料を支払う方式です。後者はオーナーと運営会社が共同運営をして、契約で定めた利益をそれぞれ受領する方式です。

通常はアスファルト舗装となり、整地費用のほかに設備装置の設置費用が発生します。ロック式のほうが低額な費用でできる場合が多くなります。ロック式の場合、フラット板(パークロック)が10万円/台、自動精算機が40~50万円、照明・看板設置が20~30万円、車止めが4,000円/台程度です。

また、20台以上の駐車場にはゲート式が適しています。ゲート式は入庫の際、駐車券を受け取り、出庫時に料金を支払うことでゲートが開く仕組みになっています。ロック式と異なりパークロックが不要のため、収容台数増加により費用が増加することはありません。

パークロックが不要となり、ゲートを設置するだけなので、初期費用は約60万円/台となり、10台であれば100万円必要なパークロック式より初期費用を少なくできます。

駐車場経営の失敗パターンを知っておこう

誰もが駐車場経営を経営するうえで、失敗はしたくないと考えていることでしょう。

こちらの記事では、駐車場経営をするにあったての失敗パターンと対策方法についてを解説しています。
初心者の方向けに分かりやすく解説していますのでぜひ参考にしてください。

 

【初心者必見】駐車場経営の失敗パターン5選とその対策方法

まとめ

いかがだったでしょうか。駐車場経営は1台からでも可能ですが、最低2台以上のスペースは確保したいものです。土地の広さに適した駐車場全体のレイアウトを検討して、駐車可能台数を算定し、稼働率や料金設定などを踏まえた経営方式を選択することが重要です。

一般的に、月極駐車場よりコインパーキングのほうが高い収益性を実現しやすくおすすめですが、土地の広さ、立地条件や駐車場需要に応じた事業計画や経営方針を作成してください。

 

 

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