コインパーキングを経営する上で知っておきたい料金相場とは

コインパーキングの経営を始めるには、土地の舗装や機材の設置などのハード面を準備することが必要です。それと同時にやらなければならないのがソフト面の準備です。

そのうちの一つが料金を決めるということになります。ここではコインパーキングの料金の考え方について取り上げてみましょう。

立地によって異なるコインパーキングの料金とは

コインパーキングの経営で収益に大きな影響を与えるのが料金です。
料金を安くすれば利用者は増えますが、薄利多売となり回転を上げる必要があります。

逆に料金を高くすると利用者が減ることは目に見えています。
コインパーキングの料金設定は駅からの遠近、周辺のコインパーキングの有無などによって変わってきます。
駅から近いとコインパーキングで駐車して電車で出かけるという方もいます。
また駅の近くにあるたくさんの集客施設に立ち寄る方もいます。そのような利用者が多く見込めるので、駅から近ければ料金は高めにしても利用してもらえます

周辺のコインパーキングの有無に関しては、たくさんのコインパーキングがあれば価格競争の結果、料金を下げざるを得なくなるケースも出てきます
周辺のコインパーキングの有無が、決定する料金に影響することが少なくないということです。

このようにコインパーキングは立地によって料金は異なる可能性があります。

時間帯によって異なるコインパーキングの料金とは

コインパーキングの料金を決める要因はさまざまです。
都市部なのか田舎なのかという地域的な要因、駅や幹線道路からのアクセスの便利さという要因、あるいは利用する時間帯による要因などがあります。

これらの要因の中で流動的に考えられるのが時間帯による料金設定です。
1日のうちで利用者の多い時間帯は料金を高く、利用者の少ない時間帯は料金を低く設定することで、メリハリのある料金設定となります。

具体的にはコインパーキングは、夜間から早朝にかけては利用者が少なく、人の動きが激しい昼間は多くなります。
夜間から早朝にかけては利用しやすいように低めの料金に、コインパーキングが混雑する昼間の時間帯は、少々高くても利用してもらえるので高めの料金に設定するのがおすすめです。

地域によって異なるコインパーキングの料金とは

コインパーキングの料金は各都道府県によって相場が違います。
東京や横浜などの大都市圏は1時間あたり600円とやや高めですが、同じ関東地方でも千葉は1時間あたり400円、埼玉は200円と低くなる傾向にあります。
また、東京や大阪などの大都市圏では1時間1,000円以上というコインパーキングもあります。

最大料金制という料金設定とは

コインパーキングには、「当日最大1,000円」「1日最大1,000円」「24時間最大1,000円」というような看板を設置しているところがあります。
一日の料金に上限を設ける料金設定で、利用する側にとっては割安感があります。

コインパーキングの経営者にとって特に利用者の少ない夜間は、この最大料金での差別化が利用者を獲得できるかどうかのカギとなります。
ただ最大料金については料金トラブルになるケースもあります。そのため運営者側としては注意事項をわかりやすくすることが重要となります。

全国のコインパーキングの料金相場

今回はコインパーキングの料金相場を見ていきます。
以下に各都道府県別の料金相場を一覧にします。
目安として県庁所在地の主要駅近辺で、駐車スペースが20台以上あるコインパーキングを条件に料金相場を記載します。

 都道府県
(県庁所在地) 

料金/1時間
(平日昼間)
 

都道府県
(県庁所在地)
 

料金/1時間
(平日昼間)
 

北海道 

400~600円 

滋賀 

300~400円 

青森 

150~200円 

京都 

600円 

岩手 

200円 

大阪 

600~1,200円 

宮城 

300~600円 

兵庫 

400~600円 

秋田 

200~300円 

奈良 

200~300円 

山形 

300~400円 

和歌山 

100~200円 

福島 

200~300円 

鳥取 

200円 

茨城 

200円 

島根 

200円 

栃木 

400~600円 

岡山 

200~300円 

群馬 

200円 

広島 

400~600円 

埼玉 

200~400円 

山口 

100円 

千葉 

400~600円 

徳島 

300円 

東京 

600~1,200円 

香川 

300~400円 

神奈川 

600~800円 

愛媛 

300円 

新潟 

300~400円 

高知 

300円 

富山 

200~300円 

福岡 

300~600円 

石川 

200~300円 

佐賀 

200円 

福井 

100円 

長崎 

300円 

山梨 

200~300円 

熊本 

300~400円 

長野 

200~300円 

大分 

200~300円 

岐阜 

300円 

宮崎 

200~400円 

静岡 

200~300円 

鹿児島 

200 

愛知 

300~300円 

那覇 

200~300円 

三重 

200円 

  

  


上述した一覧の通り、東京や大阪、首都圏に近い都市部のほうがコインパーキングの料金相場は高くなる傾向にあります。
立地の良い都市部では土地の価格が高いため、その分の料金が上乗せされる傾向にあるからです。
その他、料金の決定要素として周辺相場や稼働率を挙げることができます。

同じエリア内のコインパーキングであっても、駅や商業施設などに隣接する利便性の良いコインパーキングと、住宅街など、外部からの来訪が少なく需要が少ないコインパーキングでは価格が大きく変わることも珍しくありません。
また、コインパーキングとの差別化として、長時間利用者にの割引サービスや、最大料金設定などをしている場合もあります。

最後に、コインパーキングに関しては時間料金×駐車台数×稼働率によって算出されます。
そのため、料金にだけ目を向けていたらいけません。どうやったら稼働率を上げられるかも考えることが成功の近道です。

料金の表示方法

稼働率を上げるための手法としては料金の表示方法が一つのポイントです。
コインパーキングの料金表示には大きく3種類があります。

昼間料金・夜間料金のみの表示で最大料金の表示がないもの。

これは昼間であれば「1時間あたり600円」、夜間であれば「1時間あたり300円」のように、時間当たりの料金表示です。

利用者はその料金表記×停車時間で料金計算をします。
一番シンプルで分かりやすい料金表示です。短時間利用者であれば分かりやすく利用もしやすいのが特徴です。
しかし長時間利用する場合には料金上限がなく、利用者側に支払う駐車料金が高くなってしまうといった懸念が与えます。

昼間料金・夜間料金とは別に最大料金(繰り返しあり)が表示されているもの。

料金表に「昼間最大2,000円」、「夜間最大1,000円」といった表示されており、さらに料金表内に「繰り返しあり」と記載されているものです。
「繰り返しあり」とは一日以上駐車しても、翌日も最大料金の適用がうけられる制度を指します。

具体例として、24時間駐車した場合総額は、昼料金2000円+夜料金1000円の総額3000円です。
そのまま翌日も駐車した場合最大料金3000円で駐車できます。
上述のように、翌日以降も停車していても最大料金が適用されるため、長時間駐車をしておきたい人からしたら魅力的な料金体系です。
「繰り返しあり」はコインパーキング重要の少ない地域にて有力な制度だといわれています。

昼間料金・夜間料金とは別に最大料金(繰り返しなし)が表示されているもの。

「昼間最大2,000円」、「間最大1,000円」とともに「繰り返しなし」と記載されている料金設定です。
この場合上述の「繰り返しあり」とは逆に翌日は最大料金の適用は受けられませんそのため、翌日分の料金は「最大料金」とは別途記載のある「時間あたりの料金」で支払う必要があります。

繁華街や商業地区など、短時間利用が多く稼働率が見込めるエリアでは有効な料金設定といえます。
このように料金表示の種類によって、ほかのコインパーキングと差別化を図ることができます。
コインパーキング経営をするうえで料金相場の特徴を知り、立地に適した料金表示を設定することが経営戦略の重要な要素です。
そのため周辺コインパーキングの料金表示に対する調査は欠かせません。

的確な料金設定こそコインパーキング経営で成功する近道

コインパーキングの料金は、駅からの遠近や周辺のコインパーキングの有無などの立地条件、利用者が多い時間帯なのか少ない時間帯なのかという時間的な条件、都道府県という地域的な条件などで違いがあります。
また、都市部のコインパーキングでは、利用者の少ない時間帯に最大料金制を取り入れるのが当たり前のようになっています。
ところでコインパーキングの経営はある意味恵まれています。

駐車場を24時間365日開けておくだけで、車の出入りがあり料金を支払ってもらえます。そのため、チラシなどの広告を出す必要はありませんし、入口で呼び込みを行う必要もありません。
しかし次から次へと利用者が入っていくためには、儲けがありかつ利用者の入りやすい料金に設定するということが必要です。