駐車場経営の固定資産税とは?駐車場の種類ごとの税額を紹介

駐車場経営は、初心者の方が始めやすい土地活用法として人気を集めています。しかし、固定資産税の負担が重いため、最終的な利益は予想より大きく下回ってしまうことも。

今回の記事では、将来的に駐車場経営を検討している方に向けて、駐車場の固定資産税の計算方法や具体的なシミュレーション例について解説します。

固定資産税の負担を減らす節税対策についても紹介しているので、これから駐車場経営を始めようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。 

目次

駐車場の固定資産税に関する知っておくべき3つのこと


駐車場の経営を始めるにあたって、固定資産税に関する知識は必須です。なぜなら、固定資産税を考慮せずに収益を予想立てしてしまうと、思っていたよりも利益が少なく経営が難航してしまう可能性も考えられるためです。

ここでは、駐車場の固定資産税に関して知っておくべきポイントをまとめました。

  • ・住宅用地と比べると最大で6倍高くなる
  • ・駐車場の設備にも固定資産税がかかる
  • ・税額は納税通知書で確認できる

それぞれ詳しく解説します。 

住宅用地と比べると最大で6倍高くなる

駐車場経営は不労所得として最も人気のある土地活用法の一つです。

しかし、土地を所有するということは、固定資産税がかかるということに注意しましょう。 駐車場の固定資産税は、賃貸アパートやマンションと比べて最大6倍も高くなります。なぜなら、賃貸住宅の場合は土地を「住宅用地」として扱われるため、固定資産税の軽減措置が取られるからです。

一方で、駐車場は住宅用地ではないため特例措置は受けられません。 同じ土地を活用しても、駐車場の場合は住宅用地よりも6倍高い税負担があることを理解しておきましょう。 

駐車場の設備にも固定資産税がかかる

駐車場の設備にも固定資産税がかかってしまいます。以下に、課税対象となる設備をまとめました。

  • ・ロック板
  • ・フェンス
  • ・アスファルト舗装
  • ・精算機
  • ・照明

駐車場内の設備を充実させようと拡大すればするほど、固定資産税の負担は重たくのしかかってきてしまいます。 

税額は納税通知書で確認できる

固定資産税は、毎年4〜5月に送られる「固定資産税・都市計画税納税通知書」で確認することができます。

通知書には税額だけでなく、固定資産税の算出方法も記載されているので届いたら必ず確認しましょう。通知書をに目を通すことで、土地にいくらの固定資産税がかかっているかを知るだけでなく、金額が誤っていないかを確認できます。

課税額や計算方法を理解することで、今後の節税対策にもつながるでしょう。 

駐車場経営にかかる税金の種類


駐車場経営で発生する税金は、固定資産税だけではありません。ここでは、駐車場を経営するにあたって発生する税金を紹介します。

      • ・固定資産税
      • ・償却資産税
      • ・消費税
      • ・所得税・住民税
      • ・個人事業税

固定資産税

固定資産税とは、土地所有者に対して課税される地方税の一種です。土地や建物といった資産に課税されます。 1月1日時点の土地の所有者が納税することを義務付けています。

地方税のため、納税先は土地の市町村区です。 ただし、東京23区の場合は区ではなく東京都へ納める必要があります。場所によって納税先が異なるので注意しましょう。

納税額は、固定資産評価額をもとに算出されます。計算方法は後述で詳しく解説します。

償却資産税

償却資産税は、土地や建物以外の資産に課税されます。駐車場の場合は、精算機やフェンス、アスファルト舗装などの設備にかかります。

償却資産税の計算方式は、「課税標準額×税率1.4%」です。取得価額が10万円以上の場合は課税となりますが、課税標準額が150万円未満なら非課税になります。

設備費用がそこまで高額でなければ非課税となる可能性があるので、節税のためにもしっかり確認しましょう。

また、基本的に償却資産税は経年劣化によって価値が落ちていく減価償却として扱われます。

消費税

消費税とは、売上にかかる税金です。経費を差し引く前の売上の10%が課税対象となります。ただし、以下の場合は消費税が非課税となります。

  • 土地のみを貸付けている
  • 前々年の課税売上高が1,000万円以下
  • 賃貸住宅に併設されている

基本的に、家賃に駐車場代が含まれていないなど駐車場が住宅に紐づいていない場合は、消費税はかかることを覚えておきましょう。

所得税・住民税

所得税は、所得(=売上-経費-各種控除)にかかる税金です。総所得が高くなればなるほど税率が高くなる累進課税制度が適用されているため、売上が高いほど税負担は重たくなります。

駐車場経営は経費として計上できる費用が少ないため、所得税を抑える方法が限られていることがネックです。

注意が必要なのが住民税です。所得税は、本業が別で駐車場経営の不動産所得が20万円以下であれば納税の必要がありませんが、住民税の申告は必須です。

個人事業税

個人事業税とは、個人が事業で収入を得た所得にかかる税金です。駐車場経営の場合は、駐車スペースが10台以上あれば課税対象となります。副業として駐車場経営を行っている場合は、本業の収入と合算して確定申告しなければならないので注意しましょう。

個人事業税の計算方式は、「売上-(経費+各種控除)×税率5%」です。

税率は、地域によって異なります。規模が小さければ免除されることもあるので、納税先の自治体に事前に確認しておくと安心でしょう。

駐車場経営の固定資産税の計算方法


駐車場経営の固定資産税の計算方法は、「固定資産税評価額×税率1.4%」です。

固定資産税評価額は、毎年市町村区から届く固定資産税の納付書から確認することができます。3年に1度の1月1日を基準に、各自治体の固定資産鑑定評価員が評価して確定されます。

たとえば、時価1,000万円の土地の固定資産税評価額が700万円だったとします。この場合、固定資産税は「700万円(固定資産税評価額)×1.4%(税率)=9.8万円」となります。 固定資産税の9.8万円を市町村区へ納税します。

駐車場経営の固定資産税が住宅用地よりも高い理由


賃貸アパートやマンションは、住宅用地として扱われるので固定資産税の特例措置が受けられます。しかし、駐車場経営は住宅用地ではないため軽減措置が受けられず、固定資産税が高くなり出費は増えてしまいます

住宅用地とは、賃貸住居だけでなく一戸建てやセカンドハウスなどの居住用建物全般を指します。住宅用地ではない駐車場やコインパーキングは、固定資産税特例措置の恩恵を受けられないことがデメリットとされているのです。

住宅用地の特例で軽減される固定資産税の目安

固定資産税の負担を軽減できる住宅用地についてまとめました。

土地

固定資産税

小規模住宅用地(200㎡以下の部分)

固定資産税評価額が1/6に減額

一般住宅用地(200㎡以下の部分)

固定資産税評価額が1/3に減額

特例によって、住宅用地は固定資産税の税率が軽減されます。そのため、同じエリアで同じ広さの土地でも、住宅用地として活用するか、駐車場として活用するかで固定資産税は最大6倍も違ってくるのです。

駐車場経営は、初期投資が少ないため費用を抑えられると思われがちです。しかし、土地そのものにかかる税金は軽減措置が受けられないことを理解しておきましょう。 

駐車場の固定資産税は雑所得の経費にできるのか?


駐車場の固定資産税を雑所得の経費として計上することはできません
。 ただし、固定資産税ではなく減価償却税などの設備費用を一括償却として経費に計上することは可能です。 駐車場の拡大に伴って、フェンスや照明の増加や精算機の最新化など設備を充実させようと検討している場合は、経費として計上することをおすすめします。 

【種類別】駐車場経営の固定資産税のシミュレーション


固定資産税の計算方法は「固定資産税評価額×税率1.4%」と、非常にシンプルです。しかし、固定資産税評価額がわからなかったり、イレギュラーなケースであったりすると、計算式が合っているか不安ですよね。

ここでは、以下の4つのケースにおける固定資産税のシミュレーションをご紹介します。

  • ・未舗装200㎡の駐車場の場合
  • ・機械式2階建て・100㎡のコインパーキングの場合
  • ・アスファルト舗装・100㎡月極駐車場の場合
  • ・砂利平置き150㎡のアパート駐車場

 

未舗装200㎡の駐車場の場合

一つ目のケース「未舗装200㎡の駐車場」の固定資産税を計算します。 未舗装とは、アスファルトなどで舗装していない更地のことです。今回は照明やフェンスなどの設備のない償却資産税無しのケースとします。

まず固定資産税評価額を求めます。評価額は納税書で確認できますが、ここでは計算式に則って算出します。
固定資産税評価額=50万円(路線価)×200㎡(面積)=1億円

次に、固定資産税を計算します。
固定資産税=1億円(固定資産税評価額)×1.4%(税率)=140万円

つまり、未舗装200㎡の駐車場の場合の固定資産税は140万円かかることがわかります。 

機械式2階建て・100㎡のコインパーキングの場合

二つ目のケース「機械式2階建て・100㎡のコインパーキング」の固定資産税を計算します。

まずは土地の固定資産税を計算します。
固定資産税評価額=50万円(路線価)×100㎡(面積)=5千万円
土地の固定資産税=5千万円(固定資産税評価額)×1.4%(税率)=70万円

次に、設備に課税される税額を計算します。この場合、償却資産税評価額を求める必要がありますが、今回は設備の取得費800万円から概算してみます。
償却資産税評価額=800万円×80%=640万円
設備の固定資産税=640万円×1.4%=8万9,600円

土地と設備の固定資産税を合算すると、78万9,600円となります。 

アスファルト舗装・100㎡月極駐車場の場合

三つ目のケースは「アスファルト舗装・100㎡月極駐車場」です。ここでは、償却資産税が発生しないパターンを紹介します。

まず、土地の固定資産税を求めます。
固定資産税評価額=35万円(路線価)×100㎡(面積)=3千500万円
土地の固定資産税=3千500万円(固定資産税評価額)×1.4%(税率)=49万円

次に、アスファルト舗装にかかった償却資産税を計算します。まずは設備費用を出しましょう。
取得費用=50万円(舗装費)+10万円(フェンスの設置費)

通常は取得費用に償却資産税評価額をかけますが、取得費用は60万円と150万円に満たないため、償却資産税は無税となります。
そのため土地の固定資産税の49万円のみの納税で済みます。 

砂利平置き150㎡のアパート駐車場

最後のケースは「砂利平置き150㎡のアパート駐車場」です。

まず、土地の固定資産税を求めます。
固定資産税評価額=50万円(路線価)×150㎡(面積)=7千500万円
土地の固定資産税=7千500万円(固定資産税評価額)×1.4%(税率)=17万5,000円

ここで、砂利敷きの取得費用が150万円未満の場合は、三つ目のケースと同じく償却資産税がかからないので、土地の固定資産税のみの納税となります。 

駐車場の固定資産税を節約する3つの方法


駐車場経営は固定資産税の軽減措置を受けられないため、費用負担が大きいことがデメリットです。

ここでは、駐車場経営の固定資産税を節約するための3つの方法をご紹介します。

  • ・方法①土地と建物を一体利用する
  • ・方法②アスファルトで舗装する
  • ・方法③アパート経営に変更する

それぞれ解説します。 

方法①土地と建物を一体利用する

駐車場は住宅用地としてみなされませんが、建物と住宅がセットとされている場合は住宅用地の対象となり、固定資産税の軽減措置を受けられます

例えば、アパートやマンションの土地と駐車場の土地を一体化することで、その土地全体が住宅用地として適用されます。

固定資産税評価額が1/6にまで減り、節税対策につながるでしょう。

ただし、住宅の建築費用や一体化することで必要となる設備費用にも課税されるため、どちらがトータルコストを抑えられるかは見極める必要があります。 

方法②アスファルトで舗装する

駐車場をアスファルト舗装することで、相続税の負担を抑えることができます。 アスファルト舗装すると、国税庁の規定により土地は「構造物の敷地」となり、貸付事業用宅地等扱いを受けます。 この場合、200㎡までの土地の評価額を50%減額できる小規模宅地等の特例が適用されるので、相続税を最大半額程度にまで抑えることができます。

アスファルト舗装していない青空駐車場と比べて、大きな節税効果を発揮できるため、相続税の負担が気になる方はぜひ検討してみてください。 

方法③アパート経営に変更する

駐車場経営ではなく、アパート経営へ変更する方法もあります。 アパート経営の場合は、固定資産税を1/6程度にまで減額できる軽減措置が受けられるメリットがあります。

しかし、駐車場経営は住宅用地としての特例が設けられていないので、税負担は重たくなります。 手っ取り早く税負担を抑えるなら、駐車場経営からアパート経営へ変更してみる手もありでしょう。 

駐車場経営が(固定資産税の負担が大きくても)人気の理由


駐車場経営は、アパート・マンション経営と比べて税負担が最大6倍とコストがかさむことがデメリット。それでも、駐車場経営が人気な理由とは一体何なのでしょうか。

ここでは、固定資産税の負担が大きくても、駐車場経営が選ばれている理由を探りました。

  • ・理由①経営方式によっては初期費用が安くなるため
  • ・理由②狭小地や変形地でも始められるため
  • ・理由③低いリスクで始められるため
  • ・理由④土地の転用性が高いため

 

理由①経営方式によっては初期費用が安くなるため

駐車場経営は、主に次の3つの経営方式があります。

  • ・一括借上方式(サブリース)
  • ・管理委託方式
  • ・自営方式

最も初期費用を抑えられるのは、「一括借上方式」です。 一括借上方式とは、管理業者へ土地を貸して運営する方式です。土地の所有者は、土地を貸した後は業者にお任せできるので、初期費用をかけず手間やコストを抑えられるメリットがあります。 

理由②狭小地や変形地でも始められるため

駐車場は、狭小地や変形地でも経営をスタートできるメリットがあります。

賃貸住宅の場合は広さや形状に規定がありますが、駐車場経営なら問題なく始められます。 基本的に、車1台が駐車できる広さがあれば駐車場として利用できます。また、三角地や旗竿地などの形状の土地でも、駐車スペースさえ確保できれば問題ありません。

賃貸住宅と比べて立地条件もそこまで気にしなくてもよいため、土地選びに悩む心配は少ないでしょう。 

理由③低いリスクで始められるため

初期投資や管理費を抑えて経営できるメリットが大きく、低いリスクで始められます。

アパートやマンション経営の場合は、初期費用や建設費用、維持管理費など費用面での負担が大きく、入居者が少なければ赤字経営となってしまいます。

一方で、駐車場経営は毎月の管理費はそこまでかかりません。 月極駐車場なら初期費用ほぼ0円で始められるなど、低コストで始められます。

万が一、経営が上手くいかなくてもリスクが低いので始めやすいです。 

理由④土地の転用性が高いため

もし経営がうまくいかなくても、ほかの土地活用として転用しやすいことも人気の理由です。

駐車場は建物がないため、解体工事の必要もなく即時の土地転用が可能です。 アパートやマンション経営だと、建物の解体工事だけでなく、入居者へ事情を説明して引っ越しを促すなど細々とした手配が必要です。入居者によっては退去がスムーズに進まないことも考えられます。

しかし、駐車場経営の場合は、借地借家法の適用対象外なので事前の通告のみで立ち退きを依頼できます。自由度は圧倒的に駐車場経営が高いといえるでしょう。 

駐車場経営で失敗しないためにできること


初心者でも始めやすいと人気の駐車場経営ですが、事前の調査不足が原因で失敗してしまうケースも少なくありません。

駐車場経営で失敗しないためのポイントを2つご紹介します。

  • ・立地
  • ・料金設定

立地

駐車場の立地も重要なポイントです。 具体的には以下のような立地条件を押さえましょう。

  • ・駅前の繫華街付近
  • ・スーパーやデパートなど商業施設が近くにある
  • ・併設駐車場のない施設の近くにある

立地が良ければ、料金が高くても利用率は高くなります。立地次第で駐車場の稼働率を上げることができるので、しっかり事前調査しましょう。 

料金設定

料金設定も大切です。高すぎず低すぎない適正価格を設定しましょう。 そのためには、近隣の駐車場の料金を徹底的に調べることが大切です。

駐車場は競合との差別化が難しいとされていますが、唯一比較材料となるものが料金です。 高く見積もってしまうと利用者は離れていってしまいます。だからといって、低くしすぎると赤字経営となってしまうので、収支のバランスを図ることが重要です。

駐車場経営を行う場合は固定資産税を納付する必要がある


いかがでしたでしょうか。 今回は、駐車場経営における固定資産税について解説しました。

駐車場の固定資産税は賃貸住宅と違って、軽減措置を受けられないことを覚えておきましょう。

しかし、今回ご紹介した固定資産税を抑えるための節税方法でコストを大きく抑えることができます。まずは、事前に固定資産税をシミュレーションで計算してみることが大切です。

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