コインパーキング経営の経費は?確定申告や税金に関しても解説

コインパーキング経営を考えている人の中には、必要な経費や税金などについて知りたいという方も多くいるでしょう。

経費についてはある程度の知識を持ってから経営を始める必要があり、確定申告についても最低限の知識を持っておかなくてはいけません。

 

この記事では、コインパーキング経営にかかる経費や確定申告についてのポイントを解説します。

 

コインパーキング経営にかかる経費【経営前】

コインパーキング経営にかかる経費のうち、経営前に発生する経費は土地を整地舗装する費用機器設備の設置費用の2つです。 土地をどのように舗装するかによってかかってくる費用は変わってきます。

 

コインパーキング経営の場合の舗装では、アスファルト舗装が主流でしょう。ほかの方法としてはコンクリート舗装があります。

アスファルト舗装であれば3,000円/㎡コンクリート塗装であれば5,000円/㎡が相場になります。また舗装したあとには区画を決めて、ラインを引く必要があります。ライン引きに関しては5,000円/㎡が相場です。

 

次に機器設備の設置に係る費用としては、看板や精算機、ロック板や監視カメラといったものが挙げられます。

最近では遠隔システムや決済方法も現金のみならずキャッシュレス決済といったものもあるのでどこまでの設備を整えるかによって総額は変わってきますが、おおよそ100~200万円くらいを想定しておきましょう。

土地の整備費用

コインパーキング経営を始めるときに一番高くかかる経費は土地の整備費用です。

土地の整備費用は道路自体の舗装費、車両の区画整備、番号表記、車止めの設置などが挙げられます。

 

もし土地に残置物などがあればその撤去費用も整備費用に含まれます。

舗装費に関しては未舗装(砂利敷き)、アスファルト舗装、コンクリート舗装の順で高くなります。
コインパーキングであれば機器設備の相性から、アスファルト塗装が一般的でしょう。
車両の区画整備と番号表記、車止めはコインパーキングでは必須になります。

それぞれの大まかな相場は下記の通りです。

・残置物の撤去費用 1~3万円
・整備費用 1,500円/㎡
・舗装費用 アスファルトの場合、3,000円/㎡ コンクリートの場合、5,000円/㎡
・区画整備と番号表記費用 5,000円/㎡
・車止め設置 6,000円/1台

もし、コインパーキング経営を始めるまえに家屋が建っていた場合には、その解体費用に関しても初期費用として経費の計上ができます。    

看板の設置費用

コインパーキングの目印となる看板の設置費用も経費にできます。
たとえば料金案内の看板や、空車満車を表すための看板、利用規約の看板など利用者に分かりやすい看板設置を心がけることで集客にも影響があります

パーキングの看板は素材によって金額が変わってきます。
スチール製の看板は安価な分、錆に弱いというデメリットがあります。
スチール製のものであれば2万円から4万円程度で設置ができます。

次にステンレス製の看板です。
ステンレス製であればスチール製のものよりも高価ではありますが、耐久性と高級感があります。
相場としては5万円から10万円前後になります。

屋外経営が中心となるコインパーキング経営ではステンレスの高い耐久性も注目点ではありますが、ステンレスの視認性の高さも集客性の面から選択したいところです。

管理機器などの設備設置費用

コインパーキング経営で必要になる管理機器は、精算機、防犯カメラ、入場ゲート、ロック板、外灯、隣地との境界に設置するフェンスといったものがあります。
どこまで設備を整えるかによってかかる費用は大きく変わってきますが、おおよその相場としては下記の通りです。

・精算機 40~50万円
・ロック板 10万円前後/1台当たり
・外灯 15~20万円
・設置・施工費用 50万円

コインパーキング経営にかかる経費【経営中】

コインパーキング経営にかかる経費のうち、経営中に発生する経費は運営管理費や税金があります。

運営管理費

運営管理費は業者に依頼をしている場合に発生する支払手数料になります。運営管理費の中身を紐解くと、運営費用としては日ごろの売上集金や、問い合わせ・トラブル対応といったものが挙げられます。

 

管理費用としてはコインパーキング清掃に設備のメンテンナス費用、電気代や通信費、消耗品の購入といったものがあります。 もし仮にこれらをすべて自分でおこなうとなると大変です。

 

その業務を一任して業者に任せる代わりに報酬を払うのが運営管理費になります。相場としては、売上の5~10%くらいになります。

 

業者によって割合は変わってきます。そのため、どこに運営管理を依頼するかについては複数社に見積もりを出してもらって選ぶとよいでしょう。

税金

コインパーキング経営をしていると税金も発生します。税金といえどもさまざまな種類がありますが、コインパーキング経営で押さえておきたいものとしては、所有している土地や設備に対して課税される固定資産税と固定資産税の一種でもある償却資産税都市計画税があります。

 

場合によっては個人事業税に消費税も発生し、経費になります。 固定資産税はコインパーキング経営に限らず、土地を所有している限り課税されます。償却資産税はコインパーキング経営をやっているかた全員に課税されるものではありません。

 

コインパーキング経営に必要な設備費用が150万円を超えていなければ課税されません。また都市計画税に関しては市街化区域が対象地域になるため、市街化区域以外でコインパーキング経営をしていれば課税されることはありません。

 

次に収入に対して課税される税金についてみていきます。 個人事業税は290万円の控除があるため、所得が290万円以下であれば課税されません。また消費税に関しても原則、課税売上が1,000万円を超えなければ免税事業者となります。

 

自分が個人事業税や消費税を納めなければならない事業者なのかどうかは確認をしましょう。

 

コインパーキング経営にかかる経費【経営後】

コインパーキング経営にかかる経費のうち、経営後つまりコインパーキング経営を終わりにするときに発生する経費は設備や舗装した土地の撤去費用や場合によっては違約金といったものがかかってきます。

原状回復の費用

借地にてコインパーキングを経営していた場合、契約内容によって異なりますが、基本的に原状回復をして土地を返還しなければいけません。
原状回復とは要するに更地にするということです。

そのためコインパーキング経営をするために設置した設備はもちろんですが、土地をアスファルトやコンクリートで舗装をした場合にはそれらも撤去が必要です。
どの程度原状回復する必要があるのかで揉めることもありますので、契約内容を事前に確認をしておくとともに、借地開始時の現況などを写真に収めておくといいでしょう

違約金

もしコインパーキング経営で不動産会社などに管理委託をしていた場合は、途中で経営を辞めたり、管理会社を変更したりすると違約金が発生します。
違約金に関しても契約になるため、事前に契約内容をよく確認をしておきましょう。

契約者への対応費用

たとえば管理事務所や契約者の対応にかかった費用に関しては経費にできます。
対応にかかる費用としては管理会社との連絡にかかった通信費や契約の変更にかかる費用引き継ぎにかかる費用といったものがあります。

また違約金の支払いで口座を利用した場合にかかる振込手数料といったものも支払手数料として経費の計上ができます。
どこまで経費計上できるかで迷われる場合は税理士に相談したり、税務署に問い合わせをしたりして確認してください。

あとになってから経費にならないものを計上してしまって指摘を受けると確定申告をやり直す必要があります。

コインパーキング経営の経費にならない費用

ここまではコインパーキング経営をするうえで経費できるものについてみていきました。一方コインパーキング経営で経費にできないものもあります。

経費にできないものとしてどういったものがあるのかについてみていきます。

土地購入費

コインパーキング経営をするうえで最も重要な土地ですが、この土地を購入した費用は経費にはできません。コインパーキング経営に必要な舗装工事や設備機器であれば経年劣化していくため、減価償却費として経費にできます。

 

一方で土地は経年劣化しませんので減価償却の処理はできません。結果として土地の購入費用に関しては経費にできないということになります。

仲介手数料

土地を購入するさいに不動産会社に支払った仲介手数料も経費計上はできません。

土地を購入するために支払った費用は土地の購入費用として資産に計上することになります。

固定資産税等精算金

固定資産税は基本的に1月1日時点の固定資産の所有者に対して課税がされます。そのため、年の途中で土地を購入したり、売却したりすると日割り計算をした精算金をもらったり、支払ったりします。

これを固定資産税等精算金と言います。この固定資産税等精算金に関しては土地の取得価額に含まれるため経費の計上はできないと定められています。

コインパーキング経営の確定申告

駐車場経営だと、所得区分としては不動産所得、事業所得、雑所得と3つの区分があります。コインパーキング経営は駐車場経営の一つで所得区分としては一般的に事業所得もしくは雑所得に該当します。

 

コインパーキング経営で管理委託方式かつ土地を所有している時間貸し駐車場の場合は事業所得になります。台数が少なくて主要な収入がほかにあるような場合には雑所得になります。

 

まずは自分の経営しているコインパーキングがどの所得区分で申告しなければいけないかを確認しましょう。

副業で経営している場合の経費

コインパーキング経営を副業としておこなう方の場合には、年間で20万円以上の所得がある場合には確定申告の対象になります。ここでポイントになるのは所得です。

所得とはコインパーキングの収入から経営にかかる経費を差し引いた金額が所得になります。この所得が20万円未満であれば確定申告は不要になります。

青色申告で受けられる控除額

事業所得として申告するさいには青色申告特別控除が制度として利用できます。雑所得の場合には青色申告特別控除はありませんので注意しましょう。

青色申告特別控除を受けるためにはまず税務署に青色申告承認申請書を提出する必要があります。青色申告承認申請書は青色申告をしたい年の3月15日までに提出しなければいけません。もし年の途中でコインパーキング経営を開業したい場合には開業日から2か月以内に提出が必要です。

 

青色申告特別控除には10万円、55万円、65万円の3つの控除額があります。貸借対照表をつけずに簡易簿記で帳簿を作成する場合には10万円控除になります。 55万円控除を受けるための要件としては、複式簿記で日々の取引を帳簿づけしていること、記帳に基づいて、決算書の損益計算書および貸借対照表を作成して確定申告期限までに提出する必要があります。

 

65万円控除を受けるための要件としては、55万円控除の要件に加えて事業に係る仕訳帳や総勘定元帳について電子帳簿保存をおこなっていること、もしくはその年分の所得税の確定申告書、貸借対照表および損益計算書等の提出を確定申告書の提出期限までにe-taxを使用しておこなっていることのいずれかを満たす必要があります。

 

事業所得でコインパーキング経営を申告するのであれば、日々の取引を複式簿記で帳簿をつけて電子申告し、65万円控除を目指されるとよいでしょう。

コインパーキング経営にかかる費用を押さえるには

コインパーキング経営にかかる経費についてみていきましたが、どうやったらこういった費用を押さえることができるのでしょうか。 押さえられる費用としては、管理運営費と税金です。

管理運営費に関しては、お願いをする不動産業者によって支払手数料が異なります。そのため、支払手数料が安い不動産業者に管理運営をお願いすれば費用は抑えることができます。

 

一方で、支払手数料が相場と比較して著しく安いと管理運営がずさんな場合もあります。いくつかの不動産業者で見積もりをして、実績やノウハウの有無や支払う手数料がどのくらいかを比較検討して選ぶとよいでしょう。

次に押さえられる費用は税金です。税金のなかでも償却資産税は支払わずに済む可能性もあります。

まず償却資産税に関しては償却資産が150万円を超えなければ課税されません。そのため、コインパーキング経営を始める設備機器や舗装工事をするときに償却資産が150万円を超えないようにできれば節税できます。

 

償却資産税が課税されないように、償却資産を購入するときには1つあたりの金額が10万円以上20万円未満のものを購入して、一括償却資産での処理をするとよいでしょう。

 

たとえばコインパーキング経営をおこなうときに外灯を1本あたり20万円のものを10本設置しましたとなると、総額で200万円となり、150万円を超えているため償却資産税がかかると思うかもしれません。

しかし1本あたり20万円なので一括償却資産で処理ができます。そのため、総額が200万円であっても償却資産税は発生しません。

 

このように償却資産になるものを購入するさいに工夫をすれば、償却資産税は支払わずに済む可能性があります。

まとめ

今回はコインパーキング経営をするうえでかかる経費について、経営前、経営中、経営後の3つのタイミングに分けてまとめました。

どのタイミングでどういった経費が発生するのかを事前に把握しておくことで事業計画を考えるうえでも役立ちます。

 

またどういった経費がかかるのかを理解しておくことで決算書の作成や、確定申告書の作成もスムーズにできるようになります。 経営者である以上、不動産業者に一任して任せるのではなく、どうやったらコインパーキング経営が上手くいくのか、不動産業者にアドバイスをもらいながら、自分で経営判断ができるようになりましょう。

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